従業員の「個人利用の生成AI」が招いた情報漏洩 ― ある企業の事例に見る、今すぐ見直すべきAI運用ルール

2026年9月に某社で発生した「個人利用の生成AIサービスに顧客の個人情報を誤ってアップロードしていた事象」を受け、注意喚起を目的とした本レポートを公開

DriveChecker株式会社(Googleドライブ共有管理ツール運営)は、2026年9月に某社で発生した「個人利用の生成AIサービスに顧客の個人情報を誤ってアップロードしていた事象」を受け、注意喚起を目的とした本レポートを公開いたします。

生成AI 情報漏洩

▪️従業員が私用の生成AIに顧客の要配慮個人情報をアップロード

先日、ある企業グループにおいて、従業員が個人的に利用している外部の生成AIサービスに対し、顧客の個人情報を誤ってアップロードしていた事案が公表された。
同社の説明によると、従業員が健康管理システムに関するデータの集計作業を行っていた際、誤って私用の生成AIサービスへ顧客情報を入力してしまったという。漏洩の対象となったのは、同システムに登録されていた一部のデータで、氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、保険証記号番号、メールアドレスに加え、支援形態や疾患情報といった「要配慮個人情報」も含まれていた。
問題発覚後、同社は当該生成AIサービスのチャット履歴を削除し、学習データとしての利用停止措置を実施。個人情報保護委員会への報告と並行して、データ提供元の団体・企業と調整のうえ、対象者への連絡を順次進めている。

▪️「会社として生成AIを管理できていない」実態

今回の件で注目すべきは、情報漏洩の原因が高度なサイバー攻撃ではなく、「業務効率化のために、従業員が個人的に使い慣れた生成AIを選んで使ってしまった」という、ごく身近な運用の隙にあった点だ。
生成AIはすでに多くの職場で業務を支える存在となっているが、会社として特定のAIツールを公式に導入・統制できているケースはまだ多くない。部署やメンバーが個々に使いやすいツールを選び、私用アカウントで業務データを扱っている企業は少なくないのが実情だ。利便性の高さゆえに、悪意なく顧客情報や社内機密をそのまま読み込ませてしまう事態は、決して対岸の火事ではない。

▪️Geminiは強力、だからこそ「共有設定」が命綱になる

社内の生成AI活用において、Google の「Gemini」は有力な選択肢のひとつだ。Google ドライブ内の各種ツールとシームレスに連携しており、Google Workspace を利用している企業であれば導入メリットは非常に大きい。また、法人契約の Google アカウントで利用する限り、入力した情報がAIの学習データとして利用され、社外に流出する心配もない。
一方で、運用には注意すべき点もある。Geminiは、利用者が Google ドライブ内で「閲覧者」以上の権限を持つファイルであれば、その内容を取得できる仕組みになっている。これまでは「URLを知らない限り中身は見られない」「資料の存在自体が気づかれにくい」といった理由から、「組織内限定リンク」や「リンクを知っている全員」といった緩い共有設定が気軽に使われてきた背景がある。
しかし、社員がGeminiに「評価資料を作成して」と指示を出しただけで、本来は見えないはずの「他社員の評価データ」が生成結果に紛れ込んでしまうといった、新たな情報漏洩リスクも顕在化している。
つまり、人間がファイルの入口(URL)を知らなくとも、アクセス権限さえ存在すればAIが自動的に情報を抽出してしまう、そんな「AI時代ならではの脅威」に直面しているのだ。

▪️管理コンソールで「統制できる範囲」の正しい理解

Google Workspace を導入している企業であれば、Google 管理コンソールの「生成AI」メニューから、組織部門やグループ単位でGeminiの利用をオン/オフしたり、Gmail やドライブなど各アプリへのアクセス可否を個別に制御したりすることが可能だ。
ただし、これはあくまで「Google が提供するGeminiに対する管理機能」である点に留意したい。今回の事例のように、従業員が個人契約している外部の生成AIサービスへ情報を入力してしまう行為は、Google 管理コンソール側では検知・ブロックできない。「Geminiの利用範囲は統制できても、従業員が別の生成AIにデータを持ち出す行為」は守備範囲外となる。

▪️生成AIを安全に使うための2つの基本

Geminiをはじめとする生成AIツールを安全に業務利用するためには、少なくとも以下の2点を徹底する必要がある。
⚫︎法人契約アカウントでログインして利用すること(私用アカウントや外部サービスの業務利用を禁止する)
⚫︎情報の共有設定を、日頃から適切に管理・棚卸しすること
生成AIの利便性を享受する裏では、「誰が」「どの権限で」情報にアクセスできる状態になっているかという、地道な権限管理の徹底が常に求められる。

こうした権限管理の課題解決に貢献するのが、Google ドライブの共有管理ツール「DriveChecker」だ。ファイルやフォルダの共有状態を可視化し、あらかじめ設定したセキュリティルールに沿って権限を整理することで、生成AIが意図しない範囲の情報まで取得してしまうリスクを大幅に軽減できる。
生成AIの活用が当たり前になった今だからこそ、「便利に使う」ことと「安全に使う」ことを両立させる仕組みづくりが、企業に強く求められている。

【会社概要・お問い合わせ先】

会社名・屋号DriveChecker株式会社
公式サイトhttps://drivechecker.taf-jp.com/
メールアドレスsupport@drivechecker.co.jp
DriveChecker資料ダウンロードhttps://drivechecker.taf-jp.com/document
無料WEBミーティング予約フォームhttps://calendar.app.google/FaRHSeSDN7xgoU1AA
上部へスクロール